Monologue-ひとりごと

日々の考えたこと

読書記録: 図解入門 現場で役立つ 電源回路の基本と仕組み[第2版]

電源回路製作を目指して読んでみました。

電子工作をするようになってから、直流安定化電源(DC電源)が欲しくなりました。

これまでは、乾電池で動作する回路を作ってきましたが、それでは出来ることが限られます。 そこで、自由に所望の電圧が得られるDC電源が欲しくなってくる訳です。

最近は、ネットで比較的安価に購入出来るようになりました。品質は色々だそうですが、使用用途とモノを選べば、比較的高品質なものが手に入るようです。


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一方で、「電源自体を自作する」というのも、電子工作のポピュラーな作例となっています。

自らの手で作ってみたいという思いがあふれる一方で、電源回路はノウハウの塊とも言われ、なかなか敷居が高いなと感じていました。そんな回路を理解・自分で作製できるようにするため、本書を手に取ってみました。

1章は、電気・電子回路の基礎として、各受動素子やダイオードトランジスタオペアンプなどの素子の基本的な説明、電気の法則がまとめられています。電気電子専攻の方にとっては流し読みでも十分理解できる内容になっています。

2章は、整流や平滑、そして安定化回路の基本的な役割と、電源回路の二つのタイプ(リニアレギュレータ、スイッチングレギュレータ)について簡単な説明がなされています。

3章は、リニアレギュレータの要素技術について説明されています。制御工学でおなじみのボード線図が出てきます。学生時代に勉強したはずですが、すっかり忘れてしまっていました。復習が必要ですね。

4章は、スイッチングレギュレータについてです。書いている内容は理解したつもりでいますが、他人に説明できるまでは咀嚼できてはいません。実際に作って試行錯誤してみないと身につかないのでしょうね。

5章は、作例の紹介になります。各種ICを使用した回路の紹介や、キット(サンハヤト DK-911)が紹介されています。 キットの購入を検討してみましたが、現在は販売終了となっているようです。後継(DK-951)も販売されていますが、簡単に手が出せるほど安くはない(2万円を超える)のが悩みですね。

6章は、LTspiceによるシミュレーションが紹介されています。各ICのサンプル回路について、シミュレーション結果が紹介されています。ソフトの操作やシミュレーションの勘所については、別のソースを参照する必要があります。

回路の説明だけに終始するのではなく、熱対策や保護回路、EMC対策についても触れられているのが良かったです(インターネット上の情報だと、これらのことはあまり触れられていない気がするので)。 リニアレギュレータを用いた回路だったら、何とか自分でも作れそうかな……?と思いました。 スイッチングレギュレータについては別の本でじっくり学ぶ必要がありそうです。

秀和システムから出ている入門者向けの本って、なんとなく避けていたのですが、概要を手っ取り早く把握するのには便利だと感じました。学生時代は、その道のプロが勧めるような難しい本を背伸びして読むことが多かったのですが、理解までに時間が掛かりすぎていたり、そもそも挫折したりして効率的に習得できてなかったなと思います。 社会人になって勉強時間が自由に確保できなくなった今、こういった本の有用性を身に染みて感じます。